住宅ローン審査もマンション購入もWEBで完結

   

今回は不動産業界におけるIT化の状況について2点取り上げます。

京都銀行や西日本シティ銀行など、共同システム
「地銀共同センター」に参加する13の銀行で、
住宅ローンのWEB申し込みサービスが使えるようになります。

まず京都銀行が4月に導入、
事前審査は独自システムにより【最短15分】で可能とし、
申し込みから審査までをWEB上で完結でき、京都銀行は
担当部署の業務量を2割ほど減らせるとの目論見です。

審査までをWEBで完結できるのは地方銀行では珍しいことで、
地銀共同センターに参加している13の銀行で利用拡大を見込んでいます。

京都銀行では現在、住宅ローンの申込書や収入関連などの書類を
各支店の担当者が利用者から受け取ると、 FAXで本部に送っており、
その上で、本部の別の担当者が審査システムに入力しているため、
事前審査には1~2日要していました。

ウェブ上で利用者が必要事項を直接入力することで、
審査時間が短くなり、 京都銀行の試算では、
住宅ローンの関連業務を年間4万時間削減できるそうです。


一方、住宅ローンの低金利やマンション価格の上昇、
働き方の変化などを背景に関心が高まるマンション購入ですが、
日鉄興和不動産は、新たなマンション販売の手法に挑戦しています。

情報収集から購入、入居までのやり取りをリモートで完結で、
顧客が抱くオンラインゆえの不安を払拭できるような工夫も施しています。

対面や紙ありきというこれまでの販売方法を見直し、
オンライン上で便利かつ不安なく購入できるサービス設計にしており、
「モデルルームを訪問して長時間やり取りするのは苦手」といった
これまで接点を持てなかった顧客層にもアプローチでき、
価格が3000万~4000万円ほどの都内1LDKマンションが、
サービス開始から約3カ月ですでに5部屋売れていて、
想定以上の滑り出しだそうです。

同社にとっては接客をはじめとした人件費が大幅に削減できる上、
1部屋分で1500万円ほどかかるモデルルームの作成費用、
1カ月あたり200万円ほどかかるモデルルームの家賃といったコストが
削減できています。

削減したコストの一部は顧客へ還元しており、
オンライン上で購入した顧客に対して、 100万円分のポイントを
付与しています。
ポイントは購入費用や諸費用に充てられるため、
実質的な値引きになっています。


ITによる効率化でコストを削減できるアイデアは、
他にも多くあると思われます。

不動産業界は、IT化が遅れているといわれる業界ですが、
これからは柔軟な思考で、顧客満足度につながる取り組みを
取り入れていきたいですね。

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