NTTグループ約3万人が国内のどこでも自由に居住して勤務可能に。
2022/07/27
NTTグループは、日本全国どこからでもリモートワークにより働くことを可能とする制度「リモートスタンダード」を、7月1日より導入しました。 これはリモートワークを基本とする業務運営が可能な組織を「リモートスタンダード組織」とし、当該組織の社員に適用するもので、 制度の対象となった社員は、勤務場所が「社員の自宅」となり、必ずしも会社への通勤圏に居住する必要はなくなります。 グループ主要7社の従業員の半分となる約3万人を原則テレワークの働き方とし、 勤務場所は自宅やサテライトオフィスなどで、 出社が必要になった場合の交通費の支給上限は設けず、飛行機も利用可能、 社員は国内のどこでも自由に居住して勤務できるという制度です。 また、この制度は、社員本人の希望や業務内容に応じ、個人単位での適用や適用除外も可能とのこと。 グループ会社を含めてNTTには、約18万人の国内従業員数がいますが、今後は課題を検証しながらグループ全体に広げていく方針です。 NTTでは2021年9月に、分散型ネットワーク社会に対応した「新たな経営スタイル」を発表。 リモートワークを基本とし、働き方を自由に選択・設計可能とすることでワークインライフ(健康経営)を推進する方向性を示していました。 その中で、転勤や単身赴任をなくす方針を打ち出しており、 単身赴任している社員が自宅に戻る場合の引っ越し代は会社が負担し、 さらに、出社が必要になった場合は「出張扱い」とし宿泊費も負担しています。 今回は、さらに進めて、住む場所の自由度を高めることが、 ワークインライフをより一層推進するために重要であるとの認識から、 リモートスタンダードを導入することにしたそうです。 このような取り組みから、子育て中や介護中の社員も働きやすくなり、 人材の多様性(ダイバーシティー)が生まれ新たな付加価値を生み出せると見込んでいて、 場所にとらわれない働き方は、人材採用でも働き手にアピールしやすいとも見ています。 全国のどこでも居住して勤務できる制度は、これまでヤフーやディー・エヌ・エー(DeNA)などIT(情報技術)企業が導入していますが、 伝統的な大企業では前例がなく、NTTが最大規模となります。 新型コロナウイルス禍から経済正常化に向かう中で、多くの企業が柔軟な働き方と生産性向上の両立という課題に直面しています。 出社を再開する企業もある一方で、NTTのように原則テレワークとする企業もあり、対応の二極化が進んでいます。 多様な働き方を認めることは、優秀な人材の獲得にもつながり、 仕事はきちんと確保された状態で地方に住む人が増えることは、地方の活性化にもつながります。 今回のNTTの取り組みは、多くの企業の働き方改革に影響を与える可能性があるのではないでしょうか?